夏休みこどもガミ劇場『おもひで』

エンディングフェイズ

共通エンディング 秘密基地

GM男衆二人が剣を担ぎ、溢夏ちゃんがフレームの歪んだ自転車を押しながら秘密基地に来ても

GM黒い雲に覆われた空からは雨が降り注ぎ続けています。

溢夏フレームの歪みはにぎにぎして直しつつ

溢夏「……ほ、本当に、この剣で雨が晴れたりするのかしら?」とまだ不安げ

自分の身体から湧き上がる不安を抑えつつ

「……これで見れなかったら,運がなかったってことなの…かな?」といいながらも祈る感じで

巫見自分の足元にちょこちょことついてくるケモノを適当にあしらいつつ

巫見「・・・」無言で、それでも足はまっすぐと秘密基地に向かってますね

GMでは貴方達が秘密基地である大樹の下につき、濡れた体を吹いてる感じでしょうか。

んー,じゃあ

「これ,どうやって使うとか聞いたこと…ある?」と巫見くんに話を振ってみたり

巫見「うー・・・」と剣の方をみて

巫見「聞いたことねーよ・・・ってか聞けない、怖くて」と少し苦い表情で

GM剣は——そうですね、光君と巫見君の二人で運んでるときは特に何も起きてません。

溢夏「剣、だし。振るとか……剣を持って踊るという話も聞いたことはあるけれど……この剣がどうなのかは……」

GM重さ的にも、二人だけでは抱えることはできても振ったりすることはできないでしょう。

溢夏と言って、手を添えて、「やって、みる?」

「んー.……そう,だね.3人で持って,振ってみよう!」

GM溢夏ちゃんが、手を添えると、刀身が淡く輝きだしますね。

GM祭りの時期で、神気が溜まっている状態なのでしょう。

溢夏「……!?」と一瞬驚いて手を引きかけ、でも強く握り直して。

溢夏「……行きましょう。いち、にの」

「…いち,にの」

巫見「・・・いち、に、の」

溢夏「さん!」

「さん!」

巫見「さん!」

GMよろめきながらも貴方達3人が剣を振り下ろすと、その切っ先の射線上、黒くよどんでいた空に切れ目が入り。

GMそこから突如として、まるで扉が開くようにして星が瞬く空が見えていきます。

「………………うわぁ」

「これが,これが“本当の”星,空……」と目を見開いて空を見上げ,ポカーンとする感じで

溢夏「…………」事情は知っているわけだし、邪魔するようなことはしない……といった感じで一歩離れて見守りつつ

溢夏ぼいすれこーだー相手に密かにごそごそやってる。

巫見「おー」と、彼にとっては久しぶりの星空を見上げて

巫見こっそりもってきたカメラの調子を確かめてますね

GM剣は神気を使い切ったのか光は弱弱しくなっていますね。

あ,そうだ.首から提げてた涙石のお守りを軽く握ります

GMそれに呼応したのか否かはわかりませんが……徐々に、徐々に、光君の透明化している部分は広がりつつありますよ。

巫見あ、と光君の方を見て、残り時間が少なくなってきたのを察したのか

巫見「なぁみんなで写真取らない?これ」と、さっきまで調整していたカメラを二人に見せますよ

身体に感じる違和感を押し込めて

「そうだよ写真!3人で撮ろう!夏の思い出っ」と明るく振り向きますか

溢夏「そ……うね」と、透けていく光くんを見て、ちょっと泣きそうな笑顔で、「貴方が真ん中よ。お客さんなんだから」

溢夏「……星は、撮らなくていいの?」

「んー」と苦笑い気味に唸って,しかし

「写真はいいよ….こんなの生で見ちゃったら,いくら撮っても近づけないや」

「それに,撮るなら3人で写ってたほうがいい!」とふたりに笑いかけますよ

溢夏「ん」笑い返す。

巫見んー、と二人に笑い返してから、近くの木にカメラをかけてからタイマーをセットして

巫見二人の方に駆け寄って「ほらあっち、笑って!」とカメラを指さします

溢夏うまく笑えてるかわからないけど、写真からはみ出さないよう精いっぱい二人に近づきます

「……あぁー!この時代に来れてよかった!二人に会えたのも!」と

タイマーが進む中,寄ってきた二人の肩に腕を回して

「最高の夏休みだよ!」と,精一杯笑います!

ついでにふたりの足元に何か落としつつ

GM組み立て式カメラはピッピッと電子音でタイマーを表してるのか、徐々にそれは速まって——そしてひときわ大きな電子音と共にフラッシュが。

溢夏あ、じゃあついでに、光くんの手をぎゅっと握って、何かを握りこませるよ

巫見カメラの方に寄って、「おー」と感嘆の声を上げたあと

巫見「ほら、みてよ」と、手に持った3枚のできたて写真を二人のほうに見せますね

GMすぅっと色が差していく写真には、巫見君と溢夏ちゃん、そして——確かに光君の姿映っています。

溢夏「良かった……」と、ほっと一息。

「おー!ちゃんと写ってる!」と,写真を受け取ろうとして

指先が写真を掴めずに「……っ鞄に写真,入れてもらえる?」と己の中で無面目

ついでに,「そうだ!さっきその辺に落としちゃったんだけど,それ,僕からのお土産?みたいなものだから」と伝えましょうか

溢夏拾おうとするも、光くんの消えていく速度のほうが速いのに気付いて

溢夏「……あり、がと、後で、ちゃんと見るから、その、……その、ね、え、っと、ああもうっ」

溢夏深呼吸して、

溢夏「……駄目、ね。いきなり、上手く喋れない……もん。もっと、話しておけば、よかった……」

溢夏「でも」と、さっき渡そうとしていたもの、ぼいすれこーだーを鞄に押しつけるようにして、スイッチを入れて。

溢夏『……絶対忘れないから。楽しかったよ』

溢夏それだけ吹き込んで、鞄に放り込みます。

巫見「あ、ありがとう」といいながら、光君の様子を察して急いで彼の鞄に写真を一枚いれて

巫見「まぁさ、ありすぎるくらい、色々あったけどさ、楽しかったよ?」と

「……忘れられないよ.こんな,こんな楽しい夏休み!忘れてなんか…やるもんかっ」と溢夏ちゃんの顔横に手を伸ばし

「色々ありすぎ,かな?まぁでも,楽しかった!」と巫見君には握りこぶしを突き出しましょう

巫見うん、と光君の握りこぶしを握り返しますね

溢夏じゃ、手を重ねましょうか

では,徐々に感触が無くなっていく感じで光は消えましょう

『ずっと友達だ』そう,彼の口は言っていたような気もします

GMでは巫見君、溢夏ちゃんが重ねていた、光君の手がゆっくりと消えていき、

GMすっと消えていった彼の、最後の言葉までもが消えていったところで、このシーンは閉じましょう。

PC1 門出 溢夏

溢夏さて。

溢夏あの夜から数日。

溢夏じゃ、祭り過ぎちゃうから翌日。

溢夏溢夏は夜更けすぎに帰宅したときには大分怒られたものの、特に変わりない夏休みの一日を迎えていた。元々、いたずらというか、単独行動は多かったし。

溢夏わりとシャレにならない暴力沙汰が起きていた気がするが、「8歳の女の子が自転車なんて振り回す訳ないだろ起きろ」ということで不問だった。真九郎さんの解せぬっつらを見ると、ちょっと申し訳ない気もするが。

溢夏「まあ……そんなものよね。本当にあったことなのに、信じられなかったら、みんな無かったことにしちゃうんだもの」

溢夏などとひょうひょうと言い放ちながら広げるのは、父親の書斎からくすねてきた天体の写真集。

溢夏「……私は、忘れないもん」

溢夏まだ、信じられないけれど、確かにあったことなら、忘れない。

溢夏溢夏が写真集を眺める勉強机には、あのポラロイド写真が立てかけてあったりで……外からは、今日からが本番の祭りの音が聞こえたりして。

PC3 飛鳥 巫見

巫見ではその頃、祭りの会場にて

巫見遊び盛りとはいっても、神社の息子なので祭りの準備くらいは手伝えと、働かされました。

巫見・・・昨日のこともあったのでみっちりと。

巫見仕事も一段落したところで、祭りの中心部から少し離れて見上げると星空が。そして手には写真が。

巫見・・・彼のことは、父さんも、周りの大人たちも結局信用してくれなかったけど。

巫見「・・・それでも俺たちは」と零れたところで、足元に・・・いつぞやのケモノが

巫見「ん?どうしたんだー」とケモノの口元を見ると、なにか咥えてます。

巫見それは空になったジュースの缶・・・光君が飲んでいた。多分秘密基地から持ってきたんですね。

巫見「こらダメじゃないか勝手に漁るなって」そういいながら空き缶を取り上げて歩き出します。秘密基地へ向けて。

巫見「・・・それでも俺たちは忘れないからな」

PC2 七星 光

では、光が元いた時代に弾き戻されてから10数年後の某工科大。

ひとりの研究員が眠そうに目を擦りつつ、デスク上に浮かぶ立体ディスプレイをチェックしています。

「……っふぁ、ぅー。今回もハズレかー?頼みますよホントにー」台詞とは裏腹に、彼の眼には喜の感情が伺えます。

彼の座るイスの背もたれ、そこにかけられた白衣の胸の部分には『七星 光』と書かれたプレートが付いているようで。

「せっかく国のプロジェクトに乗っかって外に放り出したんだから、成果が欲しいとこ、ろ…を?…おぉ!?」

口から愚痴がこぼれかけたところで、彼が望む成果…衛星の放出・継続観測による新星の発見の一報が。

それは丁度、彼が過去の友人に残してきたプレゼント(紅と橙の涙石)を同じ色をした、付かず離れずの双子星。

(————あのふたりと過ごした夏から、だいぶ時間が経ってしまったけれど)

「あの夏が、帰ってきた…のかな」

そっと胸の、蒼い涙石型の…記録装置に触れる。

それは今も、あの夏に繋がっている——



『……絶対に忘れないから』

目次 前へ